2024年4月5日に東京大学農学部弥生講堂で第95回日本農学会大会が開催され、日本農学賞/読売農学賞の授賞式が行われた。
授賞式と受賞講演、ならびにパネルディスカッション「農学の課題と展望2024 農学の芽を大きく育てるには」、夕刻には受賞祝賀会が同会場で行われた。
私は身障者ということで、自家用車での入構許可をもらい、妻とともに参加した。関係者も忙しい合間をぬって会場に足を運んでくれ、受賞を一緒に祝ってくれた。ありがたいことである。
身障者にとって賞状を受け取るという行為は大変であることを実感した。日本農学賞と読売農学賞の2回の賞状授与があった。杖を使い壇上に上がり会場の方々に礼をする。授与者の手前まで進んで一礼し、賞状が読み上げられると少し前に出て両手で賞状や盾を受け取る。運動失調のためバランスを崩しやすく、苦手とする動きがたくさんあった。まるで、修行しているような気分になった。
受賞講演は、バランスを崩しやすいので着席でやらせてもらい、永田君が以前、私の業績紹介で使ったファイルに写真を加えたものを使った。また、小脳梗塞の後遺症か、年のせいか分からないが、言葉を突然忘れてしまうことがあるため、原稿を書いて読むことにした。30分の持ち時間でスライド22枚だったので時間に余裕があることは分かっていたが、20分くらいで終わってしまった。もう少し詳しく、丁寧に説明しても良かったと反省した。
祝賀会には、推薦してくれた農芸化学会や東大農学部の関係者も参加してくれ、多くの先生に受賞だけではなく、退職の挨拶もできて良かった。恩師の長澤先生、農学部の同期生である浅見君、高山君に加え、後輩の教員も祝ってくれた。妻に運転を任せてアルコールを飲むこともできたが、アルコールを入れると身体のバランスが極端に悪くなることから祝賀会ではノンアルで我慢した。家に帰って缶ビールを開けたら、疲れていたのか一缶のみ終わる前に眠ってしまった。
ともかく、これで現役時代から予定されていた公式行事が全て終わった。大学を退職したことを実感し、ホッと安心している。先週は、近くの公園での花見や、東京武道館のジム通いを再開させるなど、ほどよい自由生活をエンジョイしている。