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私はどんな貢献をしたのだろう?

 先日、日本農学賞/読売農学賞の新聞取材時に「先生の業績は一言で説明するとどんなことですか?」と聞かれ、言葉に詰まった。いろいろなことをやってきたので、短い言葉で伝えるのが難しかった。そこで、研究者として私はどんな貢献をしたのか自分に問うてみた。それを新聞記事風に書いてみた。

―昆虫の発育を調節する神経ペプチドならびにステロイドに関する研究―    「脱皮・変態、休眠の制御機構解明」
 昆虫の脱皮・変態や休眠がステロイドによって制御されていることは古くから知られていた。そのステロイドの合成を上位でコントロールする前胸腺刺激ホルモン(PTTH)をはじめとする神経ペプチドを、世界に先駆けて数多く明らかにした。それによって、昆虫の発育がどのように調節されているかの理解が大きく進んだ。養蚕業で不要になった数百万頭のカイコ蛾頭部をすりつぶし、日本が得意とする天然物有機化学という物質を純粋に取り出す研究手法を使い、1980年代に開発された新しい分析機器を利用することで可能になった日本でしか行えなかった、世界に誇る研究だったと研究を振り返った。また、昆虫少年だった自身の夢もかなったとも語った。

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研究に没頭する若き日の筆者
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記事の執筆者と略歴

この記事の執筆者

片岡宏誌のホームページ 片岡 宏誌 農学博士
                                               
1981年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1983年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 修士課程 修了
1986年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 博士課程 修了(農学博士)
1986年 Sandoz Crop Protection 社 Zoecon Research Institute(アメリカ・カリフォルニア州)ポストドクトラルフェロー
1988年 日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
1988年 東京大学 農学部 助手
1994年 東京大学 農学部 助教授
1999年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
2024年 東京大学 定年退職

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