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国会議員は政治家か法律家か?

 小学校、中学校で、国会は三権(立法権、行政権、司法権)のうち「立法権」を担うところと学んだ。つまり、国会議員の本務は法律作りで、法律の専門家ということになる。しかるに、彼らは「政治家」だと主張する。
 「政治家」をネット検索すると「政治家は、国民の代表者として選挙によって選ばれた上で、有権者の意思を国や地方自治体の政策に反映させようと活動する。主な仕事は、自らが所属する議会や委員会での議案の審議に参加することで、修正などの作業に関わり最終的に表決することである。また、陳情を聞いたり、集会に参加することで有権者の意見を聞き政策に反映させる。地方自治体の首長や大臣など行政府の役職に就いた場合には、官僚機構全体を統括して調整し動かすことで政策を決定・実行する。」とウィキペディアにあった。

 派閥のパーティー券販売でキックバックされた資金を政治資金収支報告書に記載しなかったために、政治資金規制法違反容疑で捜査を受けている。その金額の多寡で、逮捕されたり、在宅起訴されたり、略式起訴(罰金)されたりする予定と報道されていた。さらに、このような事態の再発防止を目的に「政治刷新本部」を自民党総裁が発足させ、「派閥解消」や「パーティー禁止」などが提案されている。

 私が考えるに、「法律の専門家であるべき国会議員が法律違反を犯す」など言語道断で、(立法権をもつ)国会議員としての能力がないことを示しているので即刻辞職すべきだと思う。法律家であるとの自覚もプライドもなく、「政治家」なのだから許されると考えているのだろうか? 教育者が入試で不正を働いたり、学校で生徒・学生にハラスメントを行えば、即刻懲戒処分の対象になる(疑いをもたれるだけで社会(マスコミ)からパッシングを受け、身を引かざるを得なくなる)。

 大学教員の場合「パーティー券のキックバック」とはどんなことに相当するのか、私なりに考えてみた。
 ある教授が執筆した本を自分の講義の教科書に選定し、自ら学生に本を販売し、200冊までは売り上げをそのまま出版社に支払うが、それ以上売った場合は売り上げを懐に入れて良いと出版社と約束したようなものかもしれない。懐に入れた売り上げを収入として申告しなければ、明らかな脱税だ。一方で、印税は合法的に入る。そもそも自分の著書を講義の教科書に選定することにも疑問を感じるが。専門書はかなり高価なので、毎年300名の学生の講義だとかなりの収入になるような気がする。昔はそんなことがあったのかもしれないが、今はあまり聞かない。ともかく教育者としてモラルと公共性を持っている思う(と信じたい)。

 ちょっと考えたのだが、議員であれ宗教家(宗教団体)であれ、収入は一旦全て申告して課税したらどうだろうか。その上で、サラリーマンや自営業者がやっているように「確定申告」を行い、税務署が提出書類から(政治活動)経費であるかどうか判断する。経費と認められれば、その金額を還付されるというシステムの方が公平感があるように思うのだが。たぶん(屁)理屈を付けて反対されるだろうが。世の中、全てお金で動いているようで寂しい。

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記事の執筆者と略歴

この記事の執筆者

片岡宏誌のホームページ 片岡 宏誌 農学博士
                                               
1981年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1983年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 修士課程 修了
1986年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 博士課程 修了(農学博士)
1986年 Sandoz Crop Protection 社 Zoecon Research Institute(アメリカ・カリフォルニア州)ポストドクトラルフェロー
1988年 日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
1988年 東京大学 農学部 助手
1994年 東京大学 農学部 助教授
1999年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
2024年 東京大学 定年退職
2024年 東京大学 名誉教授

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