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マイナンバーの将来に期待する

 保険証、年金、銀行口座とマイナンバーの紐付けが間違っていることがあり、マイナンバーカードを返上する人がいるとマスコミが騒いでいた。また、国に個人情報を一括管理されることに不安を訴えるワイドショーのコメンテーターもいた。一方で、デジタル担当大臣はマイナンバーカードを普及させようと連日TV出演していた。
 一時期に比べてマスコミの報道熱は下がったような気がするが、振り返ってマイナンバー(カード)に関する意見を述べてみたい。

 データを(人力で)連携させる場合、一定の割合でエラーが起きるのは必然だと思う。重要なのはエラーが見つかった時に、迅速かつ正確に修正するシステムを構築しておくことだ。また、データ改竄、偽造やなりすましを防ぐシステムも必須である。その上で、個人データにアクセスするための個人カードやマイナンバーシステムは必要だと思う。
 今後、労働人口の減少は避けて通れないことであり、事務書類をデジタル化して手続きを簡素化することは必須だと考える。コンピュータやスマホを持っていない世代や使えない世代がいることは理解できるが、そのために新しいシステムの導入を遅らせるのはどうかと思う。キャシュカードを使ったATMは普及したし、高速道路のETCも同じ、メールやLINEを使った連絡はかなりの年代までが使いこなしている。必要なサポートをすれば、ほぼ全員が使うことができるまでハード面は普及している。

 私が将来を想像し、そうなって欲しいと願う「マイナンバー」のサービスは以下のようなものだ。

1. 住民票や印鑑証明などの行政書類をコンビニで印刷して提出するシステムから、デジタル情報をそのまま必要な機関へ提出できるようになる。なぜデジタル情報を一旦アナログ情報(紙)にして提出しなければいけないのか、理解に苦しむ。デジタル情報はデジタル情報のまま扱うのが効率的であり、紙という媒体を使わないことでコストカットも期待できる。

2. ある病院で受けた血液検査結果や画像診断結果を別の病院の医療関係者と本人は確認することができるようになる。定期健康診断やいろいろな病院の血液検査の結果を見ることができれば、本人も健康状態の変化を過去に遡って把握できる。かかりつけ医と話したのだが、現在のシステムでは血液検査や画像診断を受けたことは確認できるが、医師もその結果を見ることができないようである。閲覧が可能になれば、医療機関ごとに血液検査や画像診断を繰り返し受けることもなくなり、経費削減にも役立つと思う。

3. マイナンバーカードと同じ機能をスマホで代替できるようになる。スマホにクレジットカード情報など、なにもかも入れてしまうのは危険だと考えるかもしれないが、指紋認証、顔認証でセキュリティーは確保できるのではないか。カードを紛失した時のリスクより低い気がする。

4. 年末調整や確定申告などで行っている税金納付・還付がマイナンバーで自動的に管理され、各々の申告の必要がなくなる。複数の機関から得た収入や様々な保険料などはマイナンバーで一括管理され、病院や薬局の支払は医療費控除になるよう、税金が自動的に計算されるシステムになる。確定申告がなくなると税務署などの役所の作業が効率化できるだけではなく、納税者にとっても申告作業が無くなり、同時に脱税もできなくなるので公平感も生まれるのではないか。

 マイナンバー制度は、うまく使うことで効率を上げられ、様々な面で役立つシステムのように思う。そのためには、問題点ばかり指摘しないで、みんなでこの制度を利用し育てていく必要があるように思う。

マイナンバーカード
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記事の執筆者と略歴

この記事の執筆者

片岡宏誌のホームページ 片岡 宏誌 農学博士
                                               
1981年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1983年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 修士課程 修了
1986年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 博士課程 修了(農学博士)
1986年 Sandoz Crop Protection 社 Zoecon Research Institute(アメリカ・カリフォルニア州)ポストドクトラルフェロー
1988年 日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
1988年 東京大学 農学部 助手
1994年 東京大学 農学部 助教授
1999年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
2024年 東京大学 定年退職

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