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任意継続被保険者制度とマイナンバー保険証(2)

 身近な人から「任意継続被保険者制度とマイナンバー保険証(1)」の記事は何を主張したいのかよく理解できない、との意見があった。実はこの記事は、メールのやりとりなどの経緯を含めて3倍以上の文章量だったが、できるだけ短かく、しかも不満(怒り)は抑えるようにと、何度も添削したために主張が分かりにくくなったようだ。そこで、「(不満・疑問)と(要望)」という形で内容を整理して、追加内容も含めて書き直してみた。長くなっただけで依然として分かりにくいかもしれないが、関係者や経験者からコメントをもらえることを期待している。


(不満・疑問)-1
 どうして「任意継続被保険者」へ変更する際に、「組合員番号の変更」が必要なのだろう? 法律的な制約があるのだろうか? 今回の問題は「組合員番号の変更」が全ての起因になっていると思っている。
 受けるサービス「医療費3割負担」は変わらないし、保険料を東大と個人給与の折半から、全額個人で共済組合へ振り込みすることになっただけのはずだ。
 組合員番号を変更しなくても、共済組合の原簿(どんなものか分からないが)の記載内容の項目を「通常の被保険者」から「任意継続被保険者」へ変更すれば良いだけのような気がする。そうすれば、それまでの組合員証も引き続き使えたはずだし、マイナ保険証が使えなくなることはなかった。さらに、紙の「任意継続の資格取得証明書」の発行の手数もなかった。
(要望)-1
 「従来からの慣習だから」との考え方を変えることが必要だと思う。「組合員」の情報はデジタル化されていてコンピュータで管理されているはずである。修正が必要なら端末で簡単に変更できるはずだし、事前に入力しておいて、プログラムで特定の日時に情報を自動更新することも可能ではないのか。
 組合員に負担(確認)をさせるのではなく、共済組合の事務の側でできるだけ対応する方が効率的で、間違いが少ないように思う。


(不満・疑問)-2
「任意継続被保険者」になっても「人間ドックの援助」などの従来と同じサービスが受けられるようだ。いったい、「一般の被保険者」と「任意継続被保険者」の受けられるサービスの違い(同じもの)は何かを知りたい。
 「任意継続被保険者」だけではなく、再雇用による「身分変更の被保険者」も含めると毎年多くの組合員が変更になるわけで、(共済組合の事務方にとって違いは当然のことなのだろうが)身分変更した組合員にとっては初めてなので、受けられるサービスの何が変わったのかをきちんと伝える義務があるように思う。
(要望)-2
 組合員の区分が変更になった際に、その区分に応じて受けられるサービス内容を一覧にしたパンフレット(PDFなどの電子版で十分)を作ってもらいたい。組合員は、掛け金を払ってくれる共済組合のお客様であるとの認識をもつべきだ。


(不満・疑問)-3
 東大共済組合の担当者の対応があまりにも誠意がないので、何度も嫌な思いをした。間に立って仲介してくれた柏キャンパス事務係員の人がかわいそうだった。例えば、
 4月15日:仲介してくれた事務係員から「本部共済へ確認を行いましたところ、下記の回答がございました。東大支部での作業は3月中に完了して、文科省共済本部での共済システムからのデータ抽出は4/1に行ったことと、医療保険者向け中間サーバーへの登録まで数日であることを確認しており、それ以降の時差についてはオンライン資格確認やマイナポータルにおける処理にかかるものかと思われます」。
 4月19日:仲介してくれた事務係員から「本部共済より下記のとおり回答がありましたので、転送させて頂きます。ご相談の件ですが、新組合員証の発行と旧組合員証の回収を本日中にシステム上登録させていただきます。実際に新組合員証をお渡しできるのは25日になりますが、マイナポータルには数日で反映されてマイナ保険証を使用できるようになると思います。よろしくお願いいたします。」
(要望)-3
 4月20日:私から「??様:マイナ保険証を確認したところ使用可能になっていました。昨日(令和6年4月19日)付で交付、番号も変更になっていることを確認しました。問題がどこにあったか分かり、納得しました。来年度から改善されることを望みます。東大支部の担当の方にもお知らせ下さい。」
 責任回避をするのではなく、迅速に問題の原因解明と解決策を探るという姿勢を東大共済組合の担当者がもつことが重要と考える。


(不満・疑問)-4
 企業の健康保険組合で「任意継続被保険者」や「身分変更した被保険者」にも同じ問題が生じているのだろうか? 
(要望)-4
 厚生労働省のマイナポータル(総合窓口)へ相談があった場合、事実関係を確認の上、共済組合や健康保険組合に対して適切な措置が行われるように指導してもらいたい。


 最近、偽造したマイナンバーカードを身分証明書として利用した携帯電話の機種変更(SIMスワップ)による詐欺事件が起きた。まるでマイナンバーカードに問題があるかのような発言をするステレオタイプなTVコメンテーターがいるが、身分証明書の偽造であって、マイナンバー制度に問題があったわけではない。また、会計検査院からマイナポータルを使った個人情報の紹介件数が少なく、税金の無駄遣いであるとの指摘を受けて、デジタル庁に宣伝・広報を進めるようにとの指導があったと聞く。
 一方で、デジタル庁は医療機関に読み取り装置の設置を進めるように、マイナ保険証を使えない医療機関があったら通報するようにと広報しているようである。
 マイナ保険証をはじめ、マイナンバー制度を少しでも使いやすくするためには、情報を入力する機関(ここでは共済組合)の事務方の教育の方が先決だと思う。特に問題点が生じた時に、原因を突き詰めるとともに、即応性のある対応を取ることが必要である。問題点はひとつずつ解決すれば良いわけで、問題点の指摘があった場合は積極的に取り上げて、解決に向けて努力することがマイナンバーカードの将来性を決めるように思う。
 河野デジタル担当大臣の活躍を期待する。

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記事の執筆者と略歴

この記事の執筆者

片岡宏誌のホームページ 片岡 宏誌 農学博士
                                               
1981年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1983年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 修士課程 修了
1986年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 博士課程 修了(農学博士)
1986年 Sandoz Crop Protection 社 Zoecon Research Institute(アメリカ・カリフォルニア州)ポストドクトラルフェロー
1988年 日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
1988年 東京大学 農学部 助手
1994年 東京大学 農学部 助教授
1999年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
2024年 東京大学 定年退職

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