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宅配便の再配達、置き配

 物流・運輸業界の2024年問題が話題になって久しい。トラックドライバーの年間の時間外労働時間(残業時間)の上限が960時間までに規制されることによって様々な問題が生じるらしい。その結果、宅配便の配達に支障が出るとのことである。この問題に合わせて、特に「再配達」の問題が取り上げられている。
 配達しても不在のことがかなりあり、再配達が必要になるために労働時間が増加し、労働時間当たりの収入が減少するとのことである。さらに、配達時間を指定しているにもかかわらず、不在で再配達になることもあるそうである。そのために、宅配業者は「置き配」や「宅配ボックス」の必要性を訴えている。一方で、水など重量のあるものをネット通販(宅配)で注文すると玄関まで運んでもらえて、非力な女性や老人は助かっている。

 マスコミは宅配業者の(味方の)立場で報道をしているが、果たしてそれだけで良いのだろうか? 宅配業者側も改善すべきことがあるように思う。まずは、マンションに住んでいる身障者の私から見た宅配便の問題点を、3つ指摘する。

1.宅配業者は玄関まで荷物を届け、対面で渡すことが基本ではなかったのか?

 置き配や宅配ボックスは宅配業者のためではなく、荷物を受領する利用者の利便性を考えたものではないのか? また、封筒サイズのものは集合ポストに投函することで配達完了となるのもどうかと思う。私は普段玄関近くに置き配を指定するが、そこまで持ってきてくれることがほとんどなくなったと感じている。身障者の私は集合ポストや宅配ボックスまで荷物を取りに行くことが大変だし、荷物によっては持ってくるのが困難なことがある。エレベータを使って玄関まで運ぶのは面倒で時間がかかるかもしれないが、置き配の指示があれば、(今後別料金が加算されても)その場所に置き配してもらいたい。

2.午前中時間指定は8時から12時と長すぎる

 配達時間指定は、午後は2時間区切りだが、午前中は8時〜12時の4時間になる。4時間ずっと配達を待つのは大変なので、指定するのをいつもためらう。(10~12時だけになっても良いので、)午前中も2時間区切りにしてもらいたい。

3.同じマンションに住んでいる家族の部屋へ配達場所を変更したい

 法律で規制を受けているのかもしれないが、配達(受領)先の変更は営業所かコンビニしかできない。「お荷物お届けのお知らせ」があった場合、受取日時の指定と同時に受取場所(同じマンション内の家族が住んでいる別部屋)の変更ができると、ありがたい。

 上記以外にも意見があるが、宅配業者も自分たちの主張をするだけでなく、利用者の意見も聞いて、お互いにとって便利で使いやすいシステムへ改善していってもらいたい。
 メールやLINEで届く配達前の「お荷物お届けのお知らせ」のシステムを充実させて、配達前に必ず連絡が来るようになると、不在のための再配達が激減するように思う。伝票の何を情報源として、どのようにLINEアカウントやメールアドレスへ連絡しているのかよく知らない(たぶん自分で登録したのだろう)が、新たに個人情報を利用しても良いのではないか。携帯番号(やマイナンバー)をIDとして利用することを考えても良いかもしれない。
 労働人口が減少すると、そのままでは今の利便性を維持できなくなることは理解できる。そのため、業者と利用者がお互いの立場や希望を理解し合い、うまく協力関係をつくることが利便性維持や省力化に重要であると考える。

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記事の執筆者と略歴

この記事の執筆者

片岡宏誌のホームページ 片岡 宏誌 農学博士
                                               
1981年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1983年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 修士課程 修了
1986年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 博士課程 修了(農学博士)
1986年 Sandoz Crop Protection 社 Zoecon Research Institute(アメリカ・カリフォルニア州)ポストドクトラルフェロー
1988年 日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
1988年 東京大学 農学部 助手
1994年 東京大学 農学部 助教授
1999年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
2024年 東京大学 定年退職

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