このところ昆虫少年(老人)に戻ったようで、いろいろなところへ昆虫観察に出かけたり、ベランダで食草を栽培し幼虫を飼育して楽しんでいる。ユズに卵を産み付けられたナミアゲハは先週後半に終齢幼虫になった。また、ホームセンターで卵を産み付けられていたツマグロヒョウモンも今朝終齢になっているのを見つけた。いずれも間もなく蛹化するだろうと期待している。さもないとそろそろ食草が足りなくなる。
二男と相談して、「クスノキ」と「エノキ」の鉢植えをベランダで育てようとしている。「クスノキ」はアオスジアゲハの訪問を、「エノキ」はゴマダラチョウ(可能性が高いのはアカボシゴマダラか?)の訪問を期待してのことだが、はたしてうまくいくだろうか? 植物(食草)や幼虫を育てることがこんなに楽しいとは知らなかった。大学の設備を使うと少し楽に飼育できるのかもしれないなどと思ったりするが、雨風を受けている植物の上で幼虫を育てる方が興味深い。
大学時代も野外で手に入れた幼虫を飼育しようとしたが、うまくいかなかった。適切な食草を十分に確保できなかったからだ。近くの公園などで手に入れられる食草はまだ良いが、特殊な場合は食草を栽培して、見合う数の幼虫を飼育するという感覚が欠如していたように思う。カイコやショウジョウバエなどの実験昆虫は、人工飼料が開発されていて、メーカーから人工飼料を購入したり、試薬を混合して作製することができる。そのため、飼育のために食草を準備するという概念が私に欠けていたのだろう。
同じように、クワガタなど人気がある昆虫は、菌糸瓶など飼育に必要なものや、つがいの成虫が市販されているが、どうも私にはしっくりとこない。やはり、自分が野外で採集したものや、親が飛んできて産み付けた卵を育てたいと思う。ゼフィールスの卵を冬場採集し、春になったら食草を与えながら成虫まで育て、羽化すると同時に無傷の展翅標本にするのも好きではない。
野外を飛翔し、鳥に襲われたためか傷だらけになった蝶に私は魅力を感じる。20年前に10mの長竿で採集したミドリシジミの生息場所へ月末に行こうと思っている。もう網を振ることはできないし、そもそもミドリシジミが生息していないかもしれないのだが。