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ウスバシロチョウを求めて(2)

 前回4月28日には春の妖精ウスバシロチョウを見ることができなかったので、5月11日に再度八王子近郊のスポットに、妻と二男とともに出かけた。松本さんにスポット近辺の情報を事前に確認したら、2017年5月16日の観察記録と詳しいスポット情報を教えてくれた。

 前回訪れなかった、新しく紹介してもらったスポットに妻が行き、ウスバシロチョウを捕獲して戻ってきた(写真1:ウスバシロチョウ)。私もそちらに移動して20年ぶりに春の妖精ウスバシロチョウの姿を楽しんだ(写真2:ウスバシロチョウ)。松本情報は正確で本当に有り難い。捕まえたウスバシロチョウを放す際のビデオも撮影した(動画:ウスバシロチョウ)。

写真1:ウスバシロチョウ(2024年5月11日)
写真1:ウスバシロチョウ(2024年5月11日)
写真2:ウスバシロチョウ2024年5月11日
写真2:ウスバシロチョウ(2024年5月11日)
動画:ウスバシロチョウ(2024年5月11日)

 その他、スジグロシロチョウ、ヤマトシジミ、コジャノメやアオスジアゲハ、クロアゲハ、ダイミョウセセリも見ることができた。さらに、モンキアゲハという東京近郊ではめったに観察することのない蝶も見ることができた。

写真3:ダイミョウセセリ2024年5月11日
ダイミョウセセリ(2024年5月11日)
コジャノメ(2024年5月11日)
コジャノメ (2024年5月11日)
モンキアゲハ(2024年5月11日)
モンキアゲハ (2024年5月11日)

 最近南方系のアカボシゴマダラを近所で見ることが多くなった。関西では見かけないことから関東圏での人為的な放蝶が疑われ、「生態系を乱す行為」と非難されている。
 私が学生の頃に中国などに生息しているホソオチョウが東大構内のある場所で一時的に大発生した。別の地域で今では局所的に定着しているようだ。また、ある大学構内を歩いているとシロオビアゲハが飛翔しているのを見たことがある。
 私は、他地域で採集した蝶を適切な場所に放すことは「生態系を乱す行為」と考える必要はないと思っている。一方で、温室などで(絶滅危惧種を)大規模飼育し、保護しようという活動は一見良いことのように感じるが、実は問題かもしれないと考えている。その蝶に適した食草と生存できる環境であれば生息域を広げていくだろうし、適していなければその地域では絶滅すると思っているからだ。食草保護などを人の手で少し手助けすることはあっても、無理矢理に絶滅を回避させようとするのはいかがと考える。それよりも温暖化や流通による昆虫の流入の方が人工的で、問題ではなかろうか。また逆に、台風などによる迷蝶によって、その個体群に新しい血(遺伝子)が導入されて多様になることで、その個体群の生命力が強くなっているのではとも思っている。


 少し話は変わるが、ある蝶マニアから聞いた都市伝説かもしれない話が面白かったので紹介する。

 ツマグロヒョウモンは昔沖縄など南国の蝶だったが、最近では関東を含めてかなりの地域で見られるようになった。温暖化によって生息域が北上したと考えられている。一方、ツマグロヒョウモンの幼虫はスミレ科の植物が食草である。ある時期(都会でも)プランターでパンジーを育てることがはやり、食草が豊富になったことでツマグロヒョウモンの個体数が一気に増えた、という話を聞いた。昨日ホームセンターで花が枯れかかったパンジーにツマグロヒョウモンのメスが次々と飛んできていた。私はそんな嘘か本当か分からない話が大好きだ。
 反論、ご意見を待っています。

ツマグロヒョウモン(2024年5月11日)
ホームセンターのパンジーにとまる
ツマグロヒョウモン♀ (2024年5月11日)
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記事の執筆者と略歴

この記事の執筆者

片岡宏誌のホームページ 片岡 宏誌 農学博士
                                               
1981年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1983年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 修士課程 修了
1986年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 博士課程 修了(農学博士)
1986年 Sandoz Crop Protection 社 Zoecon Research Institute(アメリカ・カリフォルニア州)ポストドクトラルフェロー
1988年 日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
1988年 東京大学 農学部 助手
1994年 東京大学 農学部 助教授
1999年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
2024年 東京大学 定年退職

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