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まび蝶復活プロジェクト 2070(1)

 7月中旬に研究室の祝賀会が終わったが、7月下旬からコロナ感染とその後遺症と思われる倦怠感のためにしばらく記事書きから遠ざかっていた。実はその間も、新しく始めるプロジェクトの事前準備を行っていた。9月中旬に企画書をやっと作り上げ、10月1日から統括代表者として「まび蝶復活プロジェクト 2070」を発足させた。プロジェクトのホームページを来年早々に開設しようと準備を進めているが、その前にこちらのホームページで少し紹介しておきたい。

まび蝶復活プロジェクト 2070

50年後の子供達に昆虫観察や採集を楽しんでもらおう!
- 僕たちが育ったあの自然の中で感じた 生きている感動を次の世代に -


背景:1970年頃、岡山県吉備郡(現倉敷市)真備町岡田では蝶(昆虫)採集がブームとなり、多くの小学校高学年の男子が、採集した展翅標本の種類(数)を競っていました。当時、南方系の珍しい蝶(ナガサキアゲハやツマグロヒョウモン)を時々見かけるようになっていました。ところが、その頃「松食い虫駆除のためにヘリコプターによる殺虫剤散布」が森林に行われ、豊富だったゼフィルス(ミドリシジミ類)は激減(ある種は絶滅)しました。また、それまで庭先で見かけていた蝶の種類や数も目に見えて減少していきました。さらに近年、高齢化が進み、農作放棄地や宅地管理のために殺虫剤や除草剤が盛んに散布されたことで、モンシロチョウやアゲハチョウなども数を減らしています。
 蝶だけでなくホタルやクワガタなどの昆虫も激減(絶滅)の危機に瀕していて、一刻も早い継続的な保護活動が必要だと思います。自然環境を少しでも取り戻し、アサギマダラの新たな訪問地にするなど、50年後の子供達に昆虫観察や採集を楽しんでもらえるように「まび蝶復活プロジェクト 2070」を立ち上げることにしました。2018年の西日本豪雨で傷ついた真備町の将来の自然資産となるように、科学的根拠に基づいた保護活動プロジェクトを進めます。真備町在住の子供達のためだけでなく、真備町を訪れる子供達やその家族も楽しめるように工夫し、真備町を訪問してくれる人が増えることを期待します。

アサギマダラin 美作(2024年10月12日)

 プロジェクトのホームページに詳しい内容を掲載するつもりだが、開設できるまではこちらで企画や活動の一端を紹介していきたい。今回は、プロジェクトの仲間と一緒に視察した「岡山県美作市の春名さん宅のフジバカマで吸蜜するアサギマダラ」の様子を紹介する。

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記事の執筆者と略歴

この記事の執筆者

片岡宏誌のホームページ 片岡 宏誌 農学博士
                                               
1981年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1983年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 修士課程 修了
1986年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 博士課程 修了(農学博士)
1986年 Sandoz Crop Protection 社 Zoecon Research Institute(アメリカ・カリフォルニア州)ポストドクトラルフェロー
1988年 日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
1988年 東京大学 農学部 助手
1994年 東京大学 農学部 助教授
1999年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
2024年 東京大学 定年退職
2024年 東京大学 名誉教授

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