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私はテレビっ子(続)

 もう少し書きたいことを思い出したので「私はテレビっ子(続)」を引き続き書くことにした。

 何時間もテレビを見ていると同じ録画を使った同じ原稿のニュースを聞くことが増えた。「テレビ局の(経費削減の)手抜きだ」と妻に話したら、「そんなにずっとテレビを見ている人はいない」と言われた。そこで、しばらく前に一時間毎にチャンネルを変えることにした。それでも同じ録画を見て同じようなコメントを聞くような気がするのだが、気のせいだろうか?

 自分の研究分野に近い報道内容に対するアナウンサーやコメンテーターの不適切な(的外れな)指摘や感想を聞かされると嫌になる。原稿を読まされているのか、本人が調べた内容か分からないが、マスメディアの責任を感じる。特に、世界を変えるかもしれない研究成果が学会発表されたとか、病気の治療や予防に重要な物質を発見したなどを聞くと、数年後にその正当性を確認する検証番組を作ってほしいと思ってしまう。その場限りの使い捨て題材と思われる無責任なものが最近多すぎる。そうでないと数多くの番組は作れないのだろうが。

 また、制作サイドが世間受けする結論を作り、それに合わせたインタビューを集める。そのビデオをつなぎ合わせて、最初に作った結論に合うストーリーを報道されているように感じることがある。何件のインタビューをして、何人が同じように答えたものなのかきちんと示す義務があるように思う。テレビ報道とはそんなものだと割り切って見ていればよいのかもしれないが、あまりにも取材がいい加減なものが多くなった気がする。これではテレビ離れが進むはずだと思う。

 そう考えているのに、目の前のテレビは朝からつけっぱなしのままだ。

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記事の執筆者と略歴

この記事の執筆者

片岡宏誌のホームページ 片岡 宏誌                 東京大学名誉教授(農学博士)                
                                               
1981年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1983年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 修士課程 修了
1986年東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学専攻 博士課程 修了(農学博士)
1986年 Sandoz Crop Protection 社 Zoecon Research Institute(アメリカ・カリフォルニア州)ポストドクトラルフェロー
1988年 日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
1988年 東京大学 農学部 助手
1994年 東京大学 農学部 助教授
1999年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
2024年 東京大学 定年退職
2024年 東京大学 名誉教授

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