東京都議会議員選挙への立候補は、2月16日にエントリーシートを提出したことに始まり、3月8日に Web-GABテスト、4月5日の面接を経て、4月11日に「再生の道」公認候補予定者に選ばれたことによる。周りの勧めがあり立候補を辞退することも考えたが、気がついたら政治活動や選挙活動を行い、6月22日の投開票で落選した。
このホームページは、研究や自然に興味をもってくれている方々を対象にしたものだったが、4月中旬からは政治関係の記事が中心になってしまった。その話題を締めくくるために、またそれまでの読者に対するお詫びも兼ねて「選挙活動で学んだ選挙システムの問題点」を紹介しておきたい。なお、別の問題点や詳しい説明は今後「選挙ドットコムのブログ」で紹介することにして、一般の方に知ってほしいと思う点に絞って今回紹介しようと思う。
ともかく、これまで経験したことがなかった「素人には理解不能な世界があること」を知った。時代遅れで、その世界でしか通じない しきたりがいろいろあった。時に不安になり選挙管理委員会へも質問したが、答えが即座に返ってこないことが度々あったし、その見解(解釈)や対応を理解できないこともあり絶句した。後援会事務局長をお願いした大学時代の同級生のM君のアドバイスや助けがなければ途中で投げ出していたような気がする。一方で、警視庁捜査二課が特別本部を設置して選挙違反捜査をしていると報道されていた。選挙違反容疑で捜査するかどうかの判断は捜査員(や本部)の印象や判断が重視されている(裁量権がある)ような気がした。
立候補に必要な書類は全て手書きで、押印も必要だった。しかもほぼ同じ内容を何度も別の書式に書く必要があった。書類を持参させて選管の係員二人がかりで事前審査などせず、必要事項をWeb登録させてチェックすれば良いのにと思った。正本が二部必要な書類の一部は足立区選管に保管し、もう一方は都選管に保管のためだと聞いた時には笑うしかなかった。早くネット投票、少なくとも立候補の手続きや選挙活動がWebでもできるようになることを望む。
「選挙ポスターの作製単価が一般に比べて高い」と立候補前にマスコミが報道して非難していたが、「公費負担されるポスター作製枚数が掲示箇所(足立区の場合は614カ所?)の倍の数である」ことを知った時は驚いた。私の手元にはまだ500枚以上のポスターがある。自宅にポスターが送られてきた時、関係者に利用方法を尋ねたら「選挙事務所や街宣車の見えるところには2枚まで掲示可能。店舗内や外壁への掲示など、ポスター掲示板以外の(外から)見えるところに掲示すると選挙違反になる。」と説明された。(一部は個人演説会会場内に掲示して利用したが、)500枚も何に使うのだろうか? この1,228枚?のポスター作製経費が全て公費(税金)で支払われることに関係者は疑問をもたないのだろうか? (一定の得票数があった候補者全員の)ポスター代(ひとり100万円以上)や選挙ビラ代(12万円以上)は公費負担することから、自治体?は選挙のたびにかなりの税金を使うことになる。
私が個人的に負担した経費は公費負担分を除くと100万円程度だった。それらが必要な支出内容だったのか、またその価格が適正だったのかは分からないし、知る方法もない。選挙ビジネスは儲かるのかもしれない。だから選挙システムは変わらない(変えたくない)のかもしれない。「選挙にはお金がかかる」ことだけは今回学んだ。